スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

私のこと、忘れないで

翌日。

めいっぱいおしゃれをして、きれいに髪を巻いて、2年ぶりに会うその人と待ち合わせをした。

『六本木に着いたけど、どこにいるの?』と電話すると、

『今、友達にダンス教えてる。もうすぐ終わるけど、キミもここに来て。○○(サルサバー)にいる。』

心臓がつぶれそうにどきどきしながら、そのクラブまで歩いた。もう帰りたい、消えちゃいたい、そう思うくらいに緊張していた。

死にそうになりながら、そこのクラブに入ると…


びっしょりと汗をかきながら、彼は踊っていた。私を見るとにっこりと笑って、踊り続けた。

私はスツールに座って、彼が踊っているのを見ていた。彼は別にインストラクターではないけれど、友達に頼まれて教えていた。

終わった後、彼は改めて私の方へ来て、元気?とか、久しぶりだね、とか、2年ぶりの挨拶をした。

でも。

私は、2年前の私ではなかった。心の中では震えていたけど、溢れる気持ちで壊れそうだったけど、負けてたまるか、と思った。戦っていた。

Azucar (2pc)二人でカウンターに座って、このDVDを一緒に見た。その日は、スタッフと私たちしかいなくて、お店はとても和やかだった。みんなDVDを見ながら、盛り上がっていた。

彼は、私の後ろにスツールをズズズッとひきずってきてぴったりとくっつけ、私を後ろからぎゅっと抱きしめながらDVDを観ていた。たまに話しかけられて答えようと振り返ると、5cm足らずの距離に彼の顔。温かい息がかかるくらいに。私は死にそうだった。でも、負けない。私には、やるべきことがあった。彼が私の胸を、服の上から触っていたので、私は、腕を後ろに回して、彼の下半身を触ってやった。スツールはくっついていたし、みんなはDVDを見ていたから、誰も気づかなかった。

DVDを観終わって、さぁ次は…という時。

私は、くるりと振り返って、出来るだけにこやかに、自然に、言った。

『私、行かなきゃ。友達と約束があるの』

彼は唖然とした。まだ、会ってから1時間ちょっとしかたっていなかった。不満げな顔をしながらも、

『じゃあ、また明日会おう』と言うので、やっぱりにこやかに、『そうね、時間があったら』と言って、タクシーを呼ぶために通りまで送ってくれた。

ざまぁみろ。

えっちできると思ったでしょ。できねーよ。

…顔が見れた。あぁ、神様、あの人はなんて綺麗なの?やっぱり彼のことが大好き。

それからは、戦いの日々。
毎日何度も電話が来て、3~4回に1回だけ、かけ直した。そして、誘われる4~5回に1回だけ、出かけていって、1時間、早いと30分とかで、さっさと彼の前から姿を消した。

そして、彼が東京を発つ、最後の日がやってきた。

『僕は、明後日の朝東京を発つ。だから、明日最後の夜をキミと過ごしたい。』

こう言われて、さすがの私も揺らいだ。だって、こんなに好きなのに。それなのに、こんなに頑張っているのに。彼が遊びでも…最後の1回くらい、同じベッドで過ごしてもいいよ。だって、自分の中で思い出になるもん。最後に、彼の綺麗な鳶色の目や、丸くカールした睫毛や、あの笑顔を、近くで見たいよ。

もうボロボロに負けそうにそう思って、私は、仲のいい男友達に泣きついた。彼は私がとても信用している人で、いつも最高のアドバイスをくれる人だった。そして、彼はカルロスのことが、2年前から大嫌いで、何度も忠告をされていた。男のことは、男に聞くのが一番だと思った。

『ねぇ、どうしよう。どうしたらいい?だって、好きなんだよ。自分が納得していたら、それでよくない?最後くらい、一緒に過ごしても、いいよね?』

わらにもすがる思いでそう言うと、彼は毅然として言った。

『あのね…いい?男が忘れられない女って、どういう女か、分かる?自分のことをすごく好きでいてくれる女じゃない。いつまでも、手に入らなかった女だよ。キミが少しでも彼に思い知らせてやりたかったら、僕は一番いい方法を知ってる。これは間違いない。これ以上にいい方法はない。そして、絶対にキミは後悔しない。』

『分かった。お願い、それを教えて』

『明日、彼と会う約束をして。そして、待ち合わせの時間と、場所を、はっきりと決めておいて。』

『うん、それで?』


『Ditch him.』


私は、そんなに英語が堪能でないので、彼の言った意味が分からなかった(彼はアメリカ人)。

『えっなに?Di..?』

彼は、それを他の言葉に言い換えて説明してくれた。

『つまり…待ち合わせをしておいて、すっぽかすんだよ。明日の朝起きたら、まずキミがすることは、携帯の電源を切ること。そして、絶対に、明日一日中、電源を入れてはいけない。キミが待ち合わせ場所に現れなかったら、彼は必ず電話をしてくる。つらいのは分かる。でも、決して電源を入れちゃダメだよ。それは、明後日の朝まで、待つんだ。その街最後の夜にすっぽかし…これは絶対に堪える。』

私は、全身の毛がぞわぞわと立つくらいに、鳥肌が立った。怖いのと同時に、なぜかとても興奮して、ニヤリと笑ったくらいだった。

本当に、私にそんなことが出来る?自分の気持ちをこんなに押し込めて、我慢して、後悔しない?素直に会いに行って、1日だけでも、彼の腕にくるまれたいんでしょう?一緒に、過ごしたいんでしょう?

だけど。

これで、少しでも彼の中に私という存在が残ってくれるなら。嫌われても、覚えていてくれるなら。

それくらい、彼のことが好きだった。

そして、不安に押しつぶされそうになりながら、電話で翌日の待ち合わせ場所と、時間を決めた。

続く



FC2 ★国際結婚ランキング★ 国際恋愛・結婚ランキングへ

国際恋愛・結婚のランキングに参加していますステキなサイトがいっぱい


テーマ: 過去を振り返る | ジャンル: 恋愛

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。