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つながらない電話

先日の恋のお話の続き

その1はコチラ

その2はコチラ

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約束の日。

私は朝から緊張でいっぱいだった。ただ、どうするつもりなのかは、しっかり決まっていた。

朝起きてすぐ…

携帯の電源を、落とした。

きっと、彼はまだ眠っている。そして、数時間後には、電話をしてくるだろう。それを考えると、後ろ髪をひかれるような思いと、せっかく時間をくれた彼に悪いという思い、、そしてなぜか少し、いい気味だと思う残酷な気持ちがわきあがった。

何度か電話をして私に通じなければ、他のお相手のうち、誰かを捕まえて、夜を過ごすのかもしれない。私にすっぽかされたことなど、その瞬間に忘れて、別に何の痛みも感じないのかもしれない。そもそも、好きな人にこれをやられたらかなりのショックだけれど、特に好きでない人にやられた場合は、その日はショックというより腹が立ち、でもきっと、翌日くらいにはすぐに忘れる。

わかっている。いくらこの作戦がうまくいったって、彼にとってはなんてことはない。これは、私の小さな小さな復讐。成功したって、勝者は結局彼なんだ。彼を大好きになった、私の負け。

なんだかもう、敗戦が目に見えていても突き進むしかない、帝国軍の学徒兵の気分。

この日は、何も手につかなかった。必死に携帯を視界に入れない努力をして、とにかく早く1日が終わって欲しいと、それだけを祈った。頭の中でぐるぐると考えすぎて、しまいにはぼ~っとしていた。

その日は平日で、彼との約束を破った私は、当たり前のように仕事に行って、当たり前のようにお客さんと話し、そしてうわの空だった。

拷問みたいな一日が終わって、翌日。

飛行機が何時の便か知らなかったし、なんだか怖くて、すぐには携帯の電源を入れられなかった。結局夜まで待って、恐る恐る電源を入れた。

当時私がプライベート用に使っていたのはDoCoMoで、お客さん用がauだった。今はDoCoMoを使っていないから知らないけれど、その頃はDoCoMoはauと違って、電源OFF時の着信は、留守電を残した時以外は確認が出来なかった(auは後から不在着信通知がくる)。

なので、まずは迷わず、留守番電話サービスセンターにつないだ。

機械的な音声が、淡々と言う。

『アタラシイ、メッセージガ、18ケン、アリマス』

心臓が、ドキン、と鳴った。

朝から夜にかけて、多い時で、たて続けに、そうでない時は30分~1時間おきくらいに、留守電が入っていた。私はそれを、一つ一つ丁寧に聞いた。

『僕だけど、どこにいるの?電話ください』

『僕だけど…なんで電話がつながらないの?』

『もしもし?…。また電話する』

初めは不思議そうに、次第に彼の声は心配そうになり、そして段々それは苛立ちに変わり、最後には落胆の声へと変わった。


最後から2番目の留守電は、もう夜中過ぎだった。

『明日にはもうこの携帯を持っていないから…最後に一度でも君と話がしたい。もし僕と話がしたければ、電話をください。もしそうじゃないなら…色々ありがとう』

そして受話器にキスをする音。彼はいつも、電話を切る時にそうする人だった。私は、その音が、大好きだった。

彼は、夜中まで私を待っていてくれたのだろうか。それとも、誰かと一緒だったけれど、連絡だけはとろうとして電話をくれていたのだろうか。どちらにしても、それだけ何度も何度も、かからない携帯に電話をくれた。私のために、時間をさいてくれた。私には、それだけで十分だった。


友人が言っていた通り、この時点で私は全く後悔していなかった。それどころか、なぜか清々しい気持ちでいっぱいだった。あんなに会いたかったのに、どうしてか分からないけれど、本当にこれが最良の方法だったと自分で思えた。


…そして、最後のメッセージを、大切に大切に聞いた。



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テーマ: 叶わぬ想い | ジャンル: 恋愛

コメント

それは苦しかったですね。。。
ガマンするの大変だったでしょう。
彼は魅力的な人だけど、きっと関係を続けていたら自分が傷ついていくのは
分かってる。分かってるけどでも会いたい。 
ドラッグみたいですね…。
18回もメッセージが入ってたなんて、きっとほんとに会いたかったんだと思います。
思い出は思い出としてきれいにとっておいたほうがよかったのかも。

2006/12/12 (Tue) 13:18 | RIO #- | URL | 編集

RIOさん、こんにちは!お久しぶりです(*^o^*)

その後どうですか?順調?そういえば私アドレスが変わったので、今度送っておきますね☆

RIOさんうまい!本当にその通り、ドラッグみたいな人でした。私は中毒になりかけて立ち直った患者かな。あれだけ留守電を入れてくれたのは、まぁ会いたかったか、たまたまその日に限って他に誰もつかまらなかったとか(笑)

あの日会わなかったからこそ、私の中でいい思い出になりました。会っていたら、こうして思い出した時に、もっと悲しい気持ちになっていたかな…。アドバイスをくれた友達に感謝してます。

2006/12/12 (Tue) 14:02 | まみちゃん #lE4ggAI. | URL | 編集

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