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神隠し

お店のお客様が、行方不明になりました。

そのことが明確に分かったのは、今日でした。

数日前、店長に『あなた、○○さんと連絡取ってる?』と聞かれ、年賀状は出したけど、年末以来そういえば連絡がない、と告げると、『悪いけど、一回メールしてみてくれない?』と頼まれた。

仮にAさんとしよう。

Aさんは、恐らく独身(中には既婚を隠す人もいるけれど、Aさんに関しては、生活パターン等から見てもほぼ間違いなく独身だった)、年齢は40過ぎ。うちのお店は、私が在籍する六本木店と、銀座に2店舗、合わせて3店舗ある。Aさんは、全店舗に通っていた。六本木店には、もう3年以上通ってくれていた。
各店舗に指名している子がおり、六本木店では私と、もう一人の女の子を指名していた。

そして、年明け以降、銀座店の女の子たちがいくら連絡しても、音信不通だという。Aさんはいわゆる『いいお客さん』で、営業をかけなくても店に来てくれるし、休みの日の店外デートにも全く誘わない、アフターにも誘わない、携帯電話の番号・メールアドレスは教えないし、聞かない。女の子たちと連絡を取るのは、会社のメールアドレスのみで、つまり月~金の日中のみ(自分が会社にいる時だけ)、時々メールをすれば良いだけ、という、とても楽なお客さんだった。

裏を返せば、私たちが知っているのは、会社のアドレスだけ(もちろん名刺は頂いているので、会社名・所在地などは分かる)。

店長に頼まれて、軽い気持ちでメールを出したけど、返事がない。そんなことは初めてだった。こちらがメールを出せば、当日中、もし退社していれば必ず翌日には返信をくれる人だった。なんだか、イヤな予感がした。

よくある話では、そのお店との縁を切ろうとして、女の子との連絡を一切絶つ、というケースもある。それは、夜遊びをやめるためであったり、他のお店にはまったからであったり(大体こっち)色々だけれど、Aさんの場合、とても律儀な人で、一言くらいは返事をくれそうなものだった。

私は、心配になって、もう一度メールしてみた。

『銀座の子も、私たちも、連絡が取れなくて心配しています。怪我や、病気でなければ良いのですが、もし無事であれば一言で良いので返事を下さい』

というようなことを書いた。


返事は、やはりなかった。


店長がそんな風に私に頼んだのには、理由があった。

ただ連絡が取れなくなったのであれば、上に挙げた1番目の理由、うちのお店に飽きたか、他の店にはまったというのが一番強い線だけれど、実はうちのお店に来ているお客さんが個人的に作った、うちのお店のファンサイトみたいなものがネット上にあって、Aさんはそこの掲示板に書き込みをするのが好きだった。

自分でも、『僕ねぇ、昨日書き込みしちゃったよ』なんてことをよく言っていたし、書き込みするときのペンネーム(?)も、私たちに教えてくれていた。

そして、年明けに、少し意味深な書き込みが、Aさんのペンネームでされていたのだ。

それは、まるで、遺書のような…もしくは、夜逃げでもする人のような、解釈によっては色々取れるものだった。

【○○(うちの店名)の皆さん、○年間お世話になりました。僕は○○(店名)にいる時が一番幸せでした】

というような、お別れの挨拶のようなことが、書かれていた。

私は、それを読んで背筋が寒くなった。とても、他のお店にはまったとは思えないし、Aさんは元々人見知りというか、なじみの場所にしか行かないタイプの人で、3店舗の通い具合からしても、他の店に行く時間はとてもないように思えた。

どうしても気になったので、今日になって、私は確かめてみることにした。

Aさんの名刺は、店に提出してあったので、店長に頼んで貸してもらった。そして、Aさんの会社に電話をしてみた。

本当に、ただうちの店との縁を切りたいだけという可能性も考えて、そうであれば私とも話したくないだろうし、出社していることさえ分かれば、それで安心できると思い、普段Aさんが退社したくらいの夕方に電話をかけた。電話に出た人に、今日Aさんが出社したか、もしくは、さりげなく明日は出社しているかなどを聞けばよい。

3~4回のコール音に続いて、若そうな男性が出た。Aさんの声でないことが分かったので、私は偽名を名乗った。

『もしもし、鈴木と申しますが、Aさんはいらっしゃいますでしょうか?』

すると、電話の向こうの男性は、歯切れの悪い話し方になった。

『あ~~…Aですか…え~…とですね、なんて言ったらいいんでしょう…少しお待ち頂けますか?』

と言って、同意すると保留音が流れた。私は、胸がドキドキして、携帯を持つ手が、冗談でなく少し震えた。口の中が乾いて、不安な気持ちでいっぱいだった。

『お待たせしました…。もしかして、Aのご友人の方ですか?心配してかけてきて下さったとか…』

こちらが何も言う前に、その男性はそう言った。私が、はい、そうです、と答えると、

『実はですね…年末、12月28日に業務を終えて以来、消息が不明なんです。親御さんも会社に見えて、話をしましたが、居場所がわからないんです』

私は、言葉を失った。とにかく、お礼を言って電話を切って、店に出勤した。

親御さんもAさんと連絡が取れないのですか、と聞くと、そうなんです、と言っていた。つまり、住まいにも戻っていないということなのだろう。

Aさんは、いつも機嫌よくニコニコと笑っている人で、仕事の愚痴も言わないし、冗談の好きな、人畜無害みたいな人だった。

どんな理由があるか分からない。でも、何があっても、どうか、Aさんが生きていますように。

12月、何も変わったところはなかった。いつも通り、笑って面白いことばかり言っていた。確か、普通に、良いお年を、ってお見送りをした。

どうか、何も悪いことが起こっていませんように。

テーマ: 今日の出来事 | ジャンル: 日記

コメント

いつもロムってましたm(__)m

それは心配ですね・・。私もAさんが無事であるよう祈ってます。

2007/01/31 (Wed) 12:28 | みーこ #- | URL | 編集

Aさんに一体なにがあったんでしょうね…
でもきっとどこかで元気でいますよ。
たまになにかもか捨ててリセットしたくなる時ってあるし。
また落ち着いたらもどって来るんじゃないのかな…
私もAさんが無事であるように祈ってます。

2007/01/31 (Wed) 23:15 | マリ #JalddpaA | URL | 編集

みーこさん★

はじめましてv-254
本当に心配ですが、、、私も無事でいてくれると良いと思っています。

マリさん★

そうですね。何もかも捨ててどこかへ行きたくなることってあります。でも、それを実行に移すのはよほどのことだと思うんです。誰も、Aさんの心の闇に気づいてあげられなかったのが悲しい。

お二人の気持ちがAさんにも届きますように。

2007/02/01 (Thu) 00:51 | まみちゃん #lE4ggAI. | URL | 編集

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